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属人化から標準化(仕組み化)へ。企業体制を強化するために標準化で出来ること

属人化から標準化へ

属人化とは?

「属人化」とは、具体的にどんな状況を指す言葉なのでしょうか。
属人化という言葉の一般的な意味として辞書に記載されている内容を簡単にまとめると、「企業などにおける業務のやり方が、その業務を担当している人にしかやり方がわからない状態」を意味するとされています。
高度な専門知識を要する業務や企画開発など、属人化されているのが普通だとされる業務もあるようです。しかし、批判的なニュアンスを含む言葉であり、基本的には業務を担当している人以外にもわかるよう、マニュアルを作成するなどして「標準化」するべきだ、という文脈の中で用いられます。

より簡単に、わかりやすく表現すると、属人化している状態というのは「特定の人物がいないとその業務がまわらない状態」だということです。
このように表現するとよく実感できますが、こういった状態になってしまうといろいろな場面で企業に悪い影響を及ぼすリスクが出てきます。
具体的にはどんな悪影響があるのか、まずは属人化することのデメリットについてみていきましょう。

属人化のデメリットとは?

業務が属人化している状態には、さまざまなデメリットがあります。

業務が不透明化する

業務をどのように進めればいいのか担当者にしかわからない属人化した状態では、他の人からすると業務の内容としてはっきりと確認できるのは成果のみで、その結果に至るまでの過程は不透明になります。
こういった状態になることを、業務の「ブラックボックス化現象」とも呼びます。
過程がわからなくても成果がきちんと上がっているならそれでいいようにも感じてしまいますよね。
実際のところ、業務が不透明化していることになかなか気が付けないケースも多いです。
ですが、成果に至るまでの過程を把握できない、業務の担当者しかプロセスを理解できていない状態が続くとさまざまなデメリットがあります。
たとえば、業務をより効率化したいと思っても、担当者以外は業務の全容を把握できていない状態ではどう改善すればいいかの議論すらできません。
業務内容のブラッシュアップがとても難しくなるのです。

正しい評価を行いづらくなる

担当者以外はどのように業務が実施されているかわからないので、当該の業務に関わっている人の働きに対して正当な評価を行うことは難しくなります。
業務上の評価は、結果としてあらわれる数値と、評価をする人の主観によって行われます。
営業成績の良し悪し、残業時間の長さ、勤務中の態度などが評価の基準となります。
業務が属人化していると、成果が上がっていれば関わっている人の評価は高くなりやすいですが、逆に成果が上がらないとどれだけがんばっていても、どれだけ貢献していても不当に評価を下げられてしまいがちです。
一番のネックとなるのは、業務の属人化に対する問題意識がない場合、成果が上がらない理由としてプロセスが関係しているのかもしれない、という発想になかなかなりにくいことです。
成果が出ていないと、不当だと感じていてもその評価を受け入れざるを得ない環境になってしまうのも大きなデメリットです。

社員の働き方の質が低下する可能性がある

属人化した状態では担当者がいないと途端に業務が滞ります。担当者が何らかの事情で急に休むだけで業務がストップしてしまうのです。
退職や休職のような長期間の離脱ならいざしらず、自分が一日休むだけでも問題が起きることを担当者自身も理解しているため、休暇を減らすなどして無理をして働かざるを得ないケースが出てきます。
そうなれば当然作業の効率は落ちてしまいます。
業務の属人化は、働き方の質にも大きく影響するのです。

引き継ぎの難易度が上がる

業務の担当者として休暇を減らしてまで働いていても、義務付けられている分の有給は消化しなければいけません。
休暇の前には他の人に業務の引き継ぎをする必要がありますが、属人化した状態では普段どのように業務が行われているか知らない人にいきなり引き継ぐことになってしまいます。
当然いつもと同じような業務の効率や品質は期待できません。
品質の管理という側面から見ても、属人化には無視できないデメリットがあります。

ミスや非効率を発見しづらくなる

担当者しか業務のプロセスを把握せずに仕事がまわっているということは、他の人による途中経過のチェックや確認ができていないということでもあります。
担当者がいくら業務を把握しているといっても、ミスをする可能性はゼロにはなりません。
属人化した状態では、重大なミスを見逃しやすくなってしまうのです。
また、担当者がいないと進まない作業があると、その作業が終わるまで他の人は何もできず待つことしかできません。
属人化した業務に関して、担当者以外の人は手伝うことすらできないのです。
属人化した業務においては、人手があっても担当者の負担は解消されず、業務全体が非効率的に進められることになります。
しかも、業務の属人化について意識していないとこの非効率を改善するどころか、気が付くことすら難しいのです。

属人化の解決には標準化(仕組み化)を

業務の属人化を解決するには、担当者以外の人も業務の内容を把握できるよう標準化することが必要になります。
業務の標準化とは何か、属人化した状態と比べてどんなメリットがあるのかなどを説明します。

標準化とは?

一部の担当者だけではなく、誰でも業務のプロセスから結果までを把握・理解し、最適化された手法で業務に取り組めるよう、業務全体の流れを決めたりルールを設定したりすることを指します。
たとえば業務内容をマニュアルにまとめれば、マニュアルさえあれば誰でも作業を効率よくこなせるようになります。
業務をフローチャート化することも、業務内容の可視化に役立ちます。

標準化のメリット

業務の標準化には、先ほど紹介した属人化のデメリットを解消するようなメリットが多くあります。

属人化して一部の担当者しかこなせなかった業務も、マニュアルをつくり標準化すれば誰でもこなせるようになります。
そうすると業務の不透明性も解消され、マニュアルさえチェックしていれば誰もがプロセスから結果までを把握できるようになります。
その結果として誰が担当しても同じレベルの業務をこなせるため、属人化した業務と比べ担当者の負担が減り、品質のばらつきも抑えることができます。
属人化した状態では難易度の高い休暇前の引き継ぎ作業も、基本の業務内容ははじめから共有できているので簡単になります。
そして誰でも業務を担当できるため、一部の人に負担が集中することがなくなり、働き方の質の低下も防げます。
一部の人の作業を待つ必要がなくなることで全体の業務効率も上がります。
また誰もが業務内容をチェックできるようになることで、ミスの発見・予防がしやすくなる他、より効率的な方法や高い品質を求めていくための改善点を見つけやすくなります。

標準化の為に出来ること

業務の標準化を進めるためにはどうすればいいのでしょうか?
より具体的な標準化の進め方についてもご紹介していきます。

マニュアル作成

マニュアル作成

仕事の進め方を明確にし、マニュアル化することで、そのマニュアルさえあれば誰でも業務を処理できる状態をつくり出すことができます。
業務に詳しい担当者が他の人を指導する際、マニュアルの存在はとても大きなものです。
まずは仕事の中でも標準化できる対象業務を明確にさせた上で、その業務の進め方の透明度を高めることで、実際に作業にあたりやすくなるだけでなく担当者の仕事に対する評価もしやすくなります。

環境整備

業務を標準化していくためには、そのための環境づくりも大切なことです。
現在属人化した状態であるとしても、そのことについて問題意識を持っていない関係者も多いはずです。
まずは業務に関係している人全体に業務を標準化する目的や意図を説明し、問題意識を共有することが大切です。

MAツールなど各種ツールの活用

MA(マーケティングオートメーション)ツールとは、マーケティング活動を可視化し、自動的に行ってくれるツールです。
特に見込み客の獲得や育成、絞り込みに関するデマンドジェネレーションのプロセスに関連しているものです。
リード管理やスコアリング、マーケティング施策のタイミングをはかるキャンペーン管理などの機能がありますが、このようなタスクをデジタルで処理してくれるツールを活用することで、「ツールを使うことができれば誰でも業務を処理できる」という状態をつくり出すことができます。

共有時間の確保

環境の整備でも紹介しましたが、業務を正常に標準化するためには関わっている人全体の意識が変わっていくことが重要です。
そのためには、組織間でしっかりコミュニケーションを取ることが必要不可欠です。
業務フローやマニュアルについても、形骸化を防いで常に最新の情報に即した質をキープするためには、業務の関係者全体がコミュニケーションを取り合う必要があります。

標準化を進めるために重要なポイント

業務の標準化を進める上では、実際に行うべき作業の他にも重要なポイントがいくつかあります。
社員のモチベーションを保つことが、スムーズな標準化にも役立つのです。

小さくても標準化の成功体験を早期に生み出す

業務の標準化に関して、関係者全員が問題意識を持ち、標準化する目的や意図を共有するのが大切だとご説明しました。
文章にするとごく簡単なことのように感じられますが、実際にはチーム全員の意識を変革するのはなかなか難易度が高いですよね。
業務が属人化していても、表面上は仕事がまわっているように見えていればなおさらです。
標準化の必要性を全員に強く意識させモチベーションをアップするためには、業務を標準化することによる具体的な成功体験を生み出すのが効果的です。
業務の標準化によって目に見える成果が上がると、これは本当に必要なことなのだという実感が真に迫って感じられるようになり、もっと標準化を進めていこう、という目的意識が生まれます。

リーダーが率先して動く

「業務を標準化しろ、効率を上げろ」と指示するだけでは、チームのモチベーションは上がりませんし、その作業が本当に必要なことだという実感も得られないはずです。
そんな状態で標準化を進めていこうとしても、コミュニケーションや問題意識の共有ができていませんから、そう上手くはいかないことでしょう。
まずはリーダー自身が率先して標準化に向けた作業を進め、小さなことでも上述したような成功体験を生み出すことができれば、他の人も標準化の重要性に気が付き積極的に取り組むようになります。

より強固な標準を創る事のメリットを社員に説明し、パラダイムを変える。

「業務の標準化が必要だ」と端的に指摘したところで、属人化された状態が普通となっている社員の心情は簡単には変わりません。
「今のままで何がいけないのか」「わざわざマニュアルをつくる方が無駄だ」と感じる人も少なくないはずです。
実際、作業をマニュアル化したり新たなツールを取り入れたりすることには労力がかかります。
ただ取り組んでほしい作業を指示するだけでなく、さまざまな労力や時間、人手を費やしてでも標準を創ることにはどんなメリットがあるのかということを説明することで、社員のパラダイムを変革していくことが必要です。
社員ひとりひとりが、これまで業務に取り組んできた中で培った自分なりの常識や前提を持っているはずです。
それを変えるのは容易なことではありませんが、そのためにも丁寧なコミュニケーションや成功体験が効果的なのです。

この記事を書いた人

MPH WEBコンサルティング事業部

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専門分野:WEBコンサルティング,WEB広告,SEO,DX,MA

様々な企業・事業者のWEBマーケティングを支援してきたMPHのWEBコンサルティング事業部が、経営に役立つIT・WEBに関するノウハウや最新情報を発信しています。

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