ロイヤルカスタマーとは?優良顧客との違いや育成方法について解説
目次
商品やサービス、企業そのものに愛着を持ち、繰り返し購入してくれる顧客のことを「ロイヤルカスタマー」と呼びます。
マーケティングの世界では、新規顧客を獲得するコストは、既存顧客にかかるマーケティングコストに対し5倍以上かかるといわれています(1対5の法則)。そのため、既存顧客の満足度を向上することは必至で、企業に安定的な売上をもたらしてくれるロイヤルカスタマーの重要性により注目が集まっています。
そこで今回は、ロイヤルカスタマーの必要性や育成手段に加え、類似キーワードである優良顧客何が違うのか解説します。
ロイヤルカスタマーとは?
ロイヤルカスタマーという言葉は、企業が提供する商品・サービスに対して強い愛着を持つ顧客のことを指します。企業にとってのロイヤルカスタマーの定義は以下の3つです。
- ブランドを推奨し、競合他社を利用しない
- 繰り返し商品やサービスを購入し、企業利益に貢献してくれる
- 口コミなどで第三者に商材を紹介してくれる
購入頻度や利用単価が高い顧客のことを優良顧客といいます。ただ、そのすべてがロイヤルカスタマーという訳ではありません。ロイヤルカスタマーと同じく企業の売上に貢献する存在ではありますが、中には商品やサービスに愛着や信頼感を持っていない人もいます。そのため競合他社がお得なクーポンを配布したり、割引セール行ったりした場合、あっさり乗り換えてしまう可能性があります。
ロイヤルカスタマーは、メーカーや商品に愛着や信頼感をもっている、いわば「企業のファン」のような存在。簡単に他社に流れることはありません。企業の成長にとっては、ロイヤルマスターを増やし、維持することが重要なポイントとなります。
ロイヤルカスタマーの重要性
経済的理論「パレートの法則」によると、「20%の顧客が、80%の利益をもたらす」といわれています。20%前後のロイヤルカスタマーを作り、キープすることがいかに重要なことかがわかりますね。ロイヤルカスタマーの重要性は、以下のとおりです。
安定的な売上をもたらし、LTV(顧客生涯価値)が向上する
一度ロイヤルカスタマーになると、商品やサービスを長期に渡り繰り返し購入してくれるため、LTV(顧客生涯価値=1人の顧客が取引を始めてから終わるまでの期間にもたらす利益の総額)が上昇します。
商品をおすすめし、新規顧客を呼び込んでくれる
ロイヤルカスタマーは、口コミやSNSなどで商品の良さを発信したり、購入に悩んでいる周りの家族や友人にも商品をすすめてくれたりします。
ロイヤルカスタマーを育て上げ、商品を他者へおすすめしたくなるような体験を与えることで、企業は高い広告費をかけなくても新規顧客を取り込めるようになるでしょう。
フィードバックを受けられる
ロイヤルカスタマーとの関係を深めることにより、時には厳しく、企業を愛するがゆえの良質な意見をもらうことができます。商品に愛着があるからこその率直な意見は、商品やサービスの改善につながる有益なものといえるでしょう。
たくさんの顧客をロイヤルカスタマーにして維持することが、企業のサービス向上につながり、結果、利益を上げる重要な販促施策となるのです。
顧客ロイヤリティを測る顧客分析方法
それでは、ロイヤルカスタマー作るためには何からはじめればよいのでしょうか?最初のステップは、既存顧客のニーズや情報を深く知ることです。
顧客がメーカーやブランド、商材に愛着や信頼を抱くことを「顧客ロイヤリティ」と呼びます。
数ある商品、サービスの中から自社サービスを選択してもらうには、顧客ロイヤリティの向上が欠かせません。顧客ロイヤリティを測り、顧客の声を正確に把握することができれば、顧客にあわせた効果的なアプローチが可能となります。ここでは、顧客ロイヤリティを測る3つの指標をご紹介します。
LTV(顧客生涯価値)
LTVは、顧客生涯価値と言われ、顧客が生涯の中で商品・サービスを利用し続けることによって企業が得られる総利益のことを指します。LTVは、以下の計算式を用いて算出できます。
LTV=1ユーザーの年間の取引額 × 粗利率 × 1ユーザーの継続年数
売上構成比率が高い顧客や購入頻度が高い顧客のLTVは高い傾向にあり、LTVの分析が顧客ロイヤリティの分析にもつながります。LTVは顧客1人あたりの購入単価を上げる施策を企画する際にも活用できます。
しかし、LTVでは購入の動機までは測ることはできないため、ロイヤルカスタマーか判断する上でLTVだけを指標とするのは難しいといえます。
RFM分析
RFM分析とは、顧客を「Recency(最終購入日)」「Frequency(購入頻度)」「Monetary(購入金額)」の3つの指標に基づいてグループ分けする手法です。優良顧客・休眠顧客・新規顧客に顧客を分類して分析します。ただ、LTVと同じように購入の理由を推測できないことがデメリットです。
NPS
NPS(ネットプロモータースコア)は「推奨者の正味比率」とも呼び、顧客が企業に持つ愛着や信頼の程度を評価する指標です。NPSでは、特定の商品やサービスに対して「この商品・サービスを友人や知人、同僚に薦めたいですか?」という質問をし、「どれくらいおすすめしたいか」の点数を、0~10点満点の間で採点してもらいます。
点数に応じて顧客を「批判者」「中立者」「推奨者」とグループ分けをすることで、顧客ロイヤリティを判断することができます。また、点数をつけた理由もあわせて回答してもらうことで、より具体的で信憑性の高いデータを得ることが可能です。
定性面・定量面の2つでロイヤリティを分析可能なところがNPSのメリットですが、NPS分析だけでは、ロイヤリティが業績や購入頻度にどう影響を与えているのか判断できません。
そのため、先に紹介したLTVやRFM分析と組み合わせることで、より精度高く顧客ロイヤリティを測ることが可能となります。
ロイヤルカスタマーに育成するための方法
分析した顧客ロイヤリティをもとに、ロイヤルカスタマーへ育成するには、どうすればよいのでしょうか。顧客ロイヤルティの向上には、カスタマーエクスペリエンス(CX=顧客体験)の改善が不可欠です。具体的には以下のような方法があります。
顧客とのつながりを増やす
自社の商材に愛着を感じてもらうために、顧客と密接なコミュニケーションをとります。顧客のニーズに沿った情報を、メルマガやブログ、SNSなどで提供し、サービスに愛着を持ってもらえるように努力することが重要です。
その他の顧客との差別化を図る
自社のこだわりや企業の方針、競合との違いを紹介することで、より企業への親近感が生まれ、愛着につながります。また、ロイヤルカスタマーのみが知ることができるお得な情報を発信することで、特別な体験や価値を提供できます。
それぞれの施策を行った後は、再度顧客分析を行います。PDCAサイクルを回しながら顧客分析を行うことが大切です。
顧客ロイヤリティを高めるマーケティング方法とは
顧客ロイヤリティを向上し、さらには新規顧客獲得へとつなげるためには、顧客情報の分析、販促計画の立案に役立つツールがあると便利です。ここでは顧客ロイヤリティの向上を図るマーケティングツールとして「CRMツール」と「MAツール」の2種類をご紹介します。
CRMツール
CRMとは「Customer Relationship Management」の略称で、顧客関係管理とも呼ばれています。顧客を中心に考えてビジネスを展開し、利益の最大化を目指す手法です。
CRMツールを活用することで、顧客属性や購買履歴、SNSなどオンライン上でのやりとりといった、顧客と企業のつながりに関わるさまざまな情報を管理できます。CRMで顧客のロイヤリティを熟知したうえで分析や施策立案を行えば、効率よくロイヤルカスタマーを獲得できるでしょう。
MAツール
MA(マーケティングオートメーション)ツールは、顧客情報を一元管理し、マーケティング活動の自動化・効率化を実現するためのツールです。企業のマーケティング活動をサポートするツールとして注目を集めています。
メール送信などルーティン業務の自動化、見込み顧客の情報やWebサイトの閲覧履歴をもとに見込み度合いのスコアリングを行うことも可能です。顧客ロイヤリティの度合いにあわせて発信できるので、ロイヤルカスタマーの育成につなげられます。
最近では、LINEやFacebookといったSNSとの連携が可能なMAツールも増えています。人的ソースを割かずに、幅広い顧客層に対して適切な施策を進めたい場合は、MAツールの導入が効果的といえるでしょう。
顧客育成・MAツール導入、活用はMPHへ
ロイヤルカスタマーは企業に高い信頼がある、企業の成長にかかせない存在です。成長に役立つフィードバックや商品情報の拡散など、マーケティングをサポートしてくれます。
様々なサービスが溢れる現代において、企業ごとに顧客のニーズも多様化しています。ロイヤルカスタマーの育成には、顧客情報を分析して個々の顧客に沿った施策を打ち出すことが有効です。CRMやMAツールなど、ロイヤルカスタマー育成に役立つツールを上手に活用し、有効な施策をおこないましょう。
- 顧客のニーズを分析したい
- 顧客育成をしてロイヤルカスタマーを増やしたい
- MAツールを導入し、PDCAをまわしたい
このようにお考えの方は、WEBコンサルティングのプロであるMPHにご相談ください。一社一社にあった方法でマーケティングツールの導入から活用までお手伝いします。
ネットショップ・弁護士・美容クリニック・店舗集客・ケータリングなど業種・業界を強みとしており、数多くのお店で業績アップを実現してきました。ご相談は無料ですので、お気軽にお問合せください。
この記事を書いた人
MPH WEBコンサルティング事業部
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