Shopify(ショッピファイ)とは?話題のECプラットフォームについて解説
目次
近年のEC市場では、Amazon・楽天・Yahoo!ショッピングなどのモール型ECサイトを使わず、自社のオンラインストアを運営するスタイルが注目されています。それと同時に関心を集めているのが、「Shopify(ショッピファイ)」をはじめとする、ECサイトを簡単に開設できるプラットフォームです。
この記事では「Shopifyって何?」「Amazonや楽天に出店するのと自社のECサイト運営では、どのような違いがあるの?」このように思っている方に向けて、Shopifyの基本的な内容を説明します。
Shopifyの導入を検討している方はぜひお読みいただき、Shopifyが自社のビジネスに適しているのか判断してみてください。
Shopify(ショッピファイ)とは?
カナダ発の企業であるShopify(ショッピファイ)は、ECサイトの作成から運営までをサポートするプラットフォームを手掛けています。
自社ECシステムを提供する企業はほかにもありますが、Shopifyは世界175か国以上、170万店を超えるショップの導入実績を誇る、世界トップシェアの企業です。
アメリカを中心に高い知名度があるものの、「Shopify Japan」として日本へ本格的に参入したのは2017年のため、日本ではまだまだ導入が進んでいません。
Shopifyの様な自社ECとAmazon・楽天などモールとの違い
Amazonや楽天といったモール型ECサイトは、商品の提供元と顧客をつなぐ役割をもっています。
その一方で自社のECサイトを使うと、顧客へ直接販売が可能です。このしくみをD2C(Direct to Consumer)といい、問屋や小売店などの仲介業者を挟まず、顧客へ直接商品を届けられます。
EC事業に乗り出す際、多くの企業はモール型ECサイトへ出店する傾向にあります。ちなみにモール型ECサイトとは、ショッピングモールのように、多数の店が1つのサイトに集まって商品を販売するスタイルです。
モールのメリットは、集客力の高さです。Amazonや楽天は利用者数が多いため、商品自体の認知度がそれほど高くない場合でも、多くの人へ情報を届けられます。
ただ、モールを経由して販売しているぶん、顧客情報を入手できないのがデメリットです。購入者の年齢・住まい・趣味嗜好などの情報を把握しにくいため、売上アップを狙うための対策に活かせません。
また、商品を購入した顧客は「Amazonや楽天で買った」という認識が強いため、メーカーやブランドの認知度が上がりにくいのも課題です。
その反面、自社ECサイトは顧客へ直接販売する手法なので、顧客と接点を持ちやすい、販売コストを抑えられるといったメリットがあります。
販売時に顧客情報を得られるので、その情報をもとに新たな戦略を立てたり、リピート購入を促したりと、業績アップに活かせるでしょう。モールを使うときに発生する利用手数料はかからないため、コスト削減にもつながります。
メーカー・ブランド・商品名などにある程度の認知度があれば、自社ECサイトへのアクセスが期待できるので、運営する価値があります。
自社ECの中でもShopifyが注目されているわけ
自社のECサイトを一から作る際、サーバーの契約やパッケージ導入などの複雑な工程に取り組む必要があるため、WEBの知識が浅い場合は非常に難しいでしょう。
そこで登場するのが、Shopifyです。ここでは、Shopifyのメリットを説明します。
コストを抑えられる
Shopifyの料金形態は、サブスクリプションです。サブスクリプションとは、一定期間のサービス利用に対して代金を支払う形式を指します。
料金はコースごとに異なりますが、基本的な機能が使える「ベーシック」プランは月額29米ドルです。仮に為替レート1米ドル=110円の場合は、3,190円で利用できます。
契約期間の縛りは無く月単位の契約です。Shopifyが合わないと思ったらいつでもやめられるので、無駄なコストの発生を防げます。
月単位の契約のほかに1年または2年契約も選択でき、1年は10%、2年は20%の割引を受けられるため、長く使い続けたほうがお得です。
さらに初めて利用する場合は、14日間の無料体験を受けられるので、自社に適したツールか見極める期間として役立つでしょう。
また、月額9米ドルで利用できる「Shopify ライト」もあります。こちらのプランでは、すでにWEBサイトやSNSを持っていて、そこへ購入ボタンやギフトカードの発行機能などを追加したい方におすすめです。
デザインテンプレートが充実している
Shopifyは、HTMLやCSSといったWEBデザインの知識が無くとも、おしゃれなサイトを作れるのが特徴です。
有料・無料を含めると80種類以上のデザインテンプレートが用意されています。食品・美容・ファッション・スポーツなど、業界ごとに適したデザインが展開されており、イメージに近いものが見つかりやすいでしょう。
トレンドやおすすめ商品を大きな画像や動画で宣伝したい、1つのページ内でより多くの商品を紹介したいなど、販売手法にあったデザインも選べます。
世界中の言語・決済方法に対応
Shopifyは日本語や英語をはじめ、中国語・韓国語・ドイツ語・イタリア語など、約20か国の言語に対応しています。
さらに顧客からの代金を支払ってもらう際の決済方法も充実しており、クレジットカード決済のほかに銀行振込や代金引換も可能です。
クレジットカード以外のオンライン決済は、Pay Pal(ペイパル)・Amazon Pay・Apple Pay・暗号通貨なども使えます。
世界中の言語や決済方法はもちろん、多くの配送業者と提携しており、越境ECに挑戦しやすいでしょう。海外にもターゲットを広げたいときに役立ちます。
豊富な拡張機能
サイト公開に必要な機能はあらかじめ搭載されていますが、「Shopifyアプリ」を活用すれば機能を拡張でき、さらに使いやすいサイト作りが可能です。
アプリは2,000種類以上あり、SNSとの連携・購入ボタンの埋め込み・お客様のレビュー投稿機能・返品や在庫状況の管理など、便利な機能が盛りだくさんです。
SEO対策をサポートするアプリもあるため、検索画面の上位表示を狙いやすいでしょう。有料・無料のアプリがありますが、Shopifyが作成したアプリは基本的に無料で使えます。
マルチチャネル販売に対応可能
Shopifyは、マルチチャネル販売に対応できます。アプリなどを活用すれば、自社のECサイトに限らずAmazon・Instagram・Facebook・Googleなどと連携が可能です。
すでに運営しているサイトへ購入ボタンを加えたり、オンライン上で注文した商品を実店舗へ届けたりと、さまざまな販売経路を作れます。
複数のチャネルを活用することで、顧客とのつながりを増やせるでしょう。販売経路をECサイトのみに絞るより、販売の機会を逃しにくいのがメリットです。
Shopify導入前に注意しておきたいポイント
機能を追加しすぎるとコストがかさむ
Shopifyはアプリを追加すると機能性がアップしますが、有料アプリのほとんどが月額課金です。そのためあまり多く追加しすぎると、毎月のコストが高くなってしまうことも。予算を決めてから、必要なアプリを厳選するのが大切です。
一部日本語に対応していない機能もある
ほとんどの機能は日本語に対応しています。ただ、自分で追加するテーマやアプリの中にはまだ英語表記のものがあり、英語が苦手な方は不便です。
WEB制作の知識が必要なときもある
ShopifyはWEB制作に必要な専門知識が無くとも、サイトの制作が可能です。しかし運営していく中で「もっと使いやすいサイトを作りたい!」と思ったときに、HTMLなどの知識が無いと対応できないこともあります。
たとえば、文字や画像の配置を細かく調節したり、文字を目立たせるための装飾を加えたりなど。デザインにこだわりたい方は、HTMLやCSSの学習が必要になるかもしれません。
Shopify以外のおすすめ自社ECシステム
Future Shop
Future Shopは、メーカーやブランドのファン化を図るための機能が充実しています。たとえば、顧客をタイプ別にセグメントして、メールマガジンを配信したり、商品をカートに入れたま放置している顧客に対してメールでお知らせできたりなど。マーケティング活動も一緒に行ないたい方におすすめです。
また、店舗運用管理やCRMシステムなどの、さまざまな外部サービスと連携でき、Amazon Pay・楽天ペイ・Pay Payといった豊富なオンライン決済に対応できます。
WooCommerce
WooCommerceはWordPressの無料プラグインのひとつ。WordPressとは、サイトやブログを作成できるソフトウェアです。WordPressを利用していればWooCommerceは無料で使えるので、コストを抑えられます。
メーカーやブランドのイメージに沿ったテーマを選べるうえ、他のプラグインと連携して、より使いやすいサイトを構築できます。
EC CUBE
EC CUBEは、オープンソースのWEBサイト制作システムなので、無料で始められる点がメリットです。メンテナンス不要のクラウド版と、サーバーに無料でインストール可能なダウンロード版を用意しています。
無料にも関わらずサイト構築に必要な機能はあらかじめ揃っており、800個以上から選べるプラグインを追加して、機能の拡張も可能です。SNSとの連携やメルマガの管理機能に加え、幅広い決済サービスにも対応しています。
Shopifyを始めとするECコンサルティングはMPH
「Shopifyを効率良く活用するには、どうすればいいのだろう」
「モール型ECサイトから自社サイト運営に切り替えたいけれど、何から手をつければいいか分からない」
このように悩んでいる方は、WEBコンサルティング会社のMPHにご相談ください。
MPHは、競合他社の調査や自社に足りない部分を分析し、企業に合わせた具体的な行動計画をご提案します。
提案するだけにとどまらず、進捗管理や結果の分析も継続的にサポートするので、目標の達成を目指しやすいでしょう。ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。
この記事を書いた人
MPH WEBコンサルティング事業部
専門分野:WEBコンサルティング,WEB広告,SEO,DX,MA
様々な企業・事業者のWEBマーケティングを支援してきたMPHのWEBコンサルティング事業部が、経営に役立つIT・WEBに関するノウハウや最新情報を発信しています。