D2C(メーカー直販)とは?メリット・デメリットとは?
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海外で誕生したビジネスモデル「D2C」を採用している企業が、近年注目を集めています。注目されている理由は、短期間で急成長しているD2C企業が増えているからです。例えばニューヨーク企業の「キャスパー」は、2年で売上100億円をたたき出すほどの成長を見せ、D2C企業では初となる上場を達成しました。この記事では、「そもそもD2Cとは何か」・「どのようなメリット・デメリットがあるのか」について解説していきます。D2Cに関する知識を深めたいと思っている方は、ぜひ参考にしてください。
D2C(メーカー直販)とは?
D2C(ディートゥーシー)とはdirect to Consumer(ダイレクト トゥ コンシューマー)の略です。簡単に説明すると、「企業が作った商品を、直接顧客に販売するしくみ」のことを指します。 一般的な企業は、商品を広告代理店・小売店を通して顧客へ販売するしくみですが、D2C企業の場合は、それらを挟まず顧客と直接取引するところが特徴です。具体的には、商品を百貨店に並べたり、Amazon・楽天などを通して販売したりするのではなく、自社店舗・自社サイトで販売するような企業のことをいいます。
BtoB・BtoCなどとの違いは?
BtoBとは、企業が企業に対して商品を提供するビジネスモデル。BtoCとは、企業が個人に対して商品を提供するビジネスモデルを指します。BtoB・BtoC・D2Cは、ビジネスモデルを表す言葉という点では同じです。しかし、BtoB・BtoCは「誰を対象として取引をするのか」を表す言葉に対し、D2Cは「どのように商品を販売するのか」を表しているところが違います。
何故、注目を集めているのか?
注目されている理由として、現代の顧客に合わせた新しい戦略で事業展開し、急成長している企業が多いことがあげられます。D2C企業が取り組んでいる戦略は、主に以下の3つです。
SNSや自社サイトを活用した密接なコミュニケーション
広告代理店や小売店を通して販売する企業の場合、いつ誰が商品を買ったのか分からない・顧客との繋がりが薄いなどのデメリットがあり、新たなビジネスチャンスを生むのが難しいという課題がありました。D2C企業は、商品を売ったら終わりではなく、顧客との繋がりを大切にしているところが特徴です。具体的には、SNS(Twitter・Instagram・YouTubeなど)や、自社サイト等を活用して顧客と密接なコミュニケーションを図っています。顧客を単なる消費者として扱うのではなく、コミュニティとして携わっているのです。企業を身近な存在に感じてもらうことで、長期的に商品を買ってくれるファンを作りやすいでしょう。
モノだけではなくライフスタイルを提供している
顧客が購買行動を起こす理由は、悩みの解消や生活の質を向上させるため。そこに注目したD2C企業は、作った製品をただ販売するだけではなく、ライフスタイル・世界観も一緒に提供しています。例えば「キャスパー」の主力商品はマットレスですが、睡眠に関する雑誌・昼寝用のラウンジなど、睡眠そのものを販売するスタイル。そのため、「質の高い睡眠」を求めている顧客は、キャスパーに継続して興味を示すファンになりやすいでしょう。
ミレニアム世代を対象に低価格設定の商品を販売
D2C企業は、ミレニアム世代以下の顧客をターゲットに、低価格な商品展開を行っています。ミレニアム世代とは、1980年~1990年に生まれた人のことです。この世代は、リーマンショックの影響で上の世代よりも所得が低い・SNSで情報収集する・ネットでの商品購入に慣れているといった特徴があります。SNSを活用し低価格な商品展開を行う戦略は、ミレニアム世代のニーズに合致しているため、購買行動のきっかけになりやすいのです。
D2Cのメリットとは?
仲介する企業への手数料が不要
Amazon・楽天などを通して出店する場合は、利用手数料・出店料・売上から引かれる販売手数料など、さまざまな諸手数料が発生します。D2C企業は、広告代理店や小売店を利用しないため、それらの諸手数料がかかりません。手数料を気にせず低価格で商品を販売することができたり、浮いた資金を商品開発ができたりと、顧客への還元に活用することができます。
顧客と長期的な関係が築ける
SNSや自社サイトを通して、企業の想い・世界観をアピールすることができます。顧客の声を直接聞くことができるため、既存商品の改善や新商品の開発に役立つでしょう。また、密接な繋がりにより顧客がリピーターになりやすく、低価格ではあるものの長期的な収益に繋がるところが魅力です。
詳細な顧客データを収集できる
企業は、いつ・どこで・どんな顧客が商品を買ってくれたのか、具体的に把握することができます。そのため課題の発掘・改善がしやすく、さらなる成長を目指すことができるのです。
D2Cのデメリットとは?
販売の仕組み作りにコストと時間がかかる
小売店や通販サイトを利用しない分、諸手数料がかからないところがメリットですが、逆にそれらを利用しないからこそのデメリットがあります。製造・流通・販売までを一貫して行うことになるので、それらの仕組みを構築・自社サイトの作成・人材の育成などをしなければなりません。そのため、ある程度のコスト・時間をかけられる企業でなければ難しいでしょう。
ブランドの認知度を上げて集客しなければいけない
いくら良い商品を作ったとしても、多くの人に知ってもらわなければ売れることはありません。Amazon・楽天などの大手通販サイトは、利用者が多い・似ている商品を見比べることができる・口コミが参考になるなどのメリットがあり、商品を多くの人に見てもらえる機会があります。その反面D2C企業は、ゼロからの集客です。認知度が圧倒的に低く、顧客との信頼関係を構築するまでに時間がかかることが想定されます。そのため、具体的なマーケティング戦略を考えて実行していく必要があるのです。
現在取引のある問屋や販売店との関係性に問題が生じる場合がある
既存メーカーがこれからD2Cを採用する場合、これまで取引していた問屋や販売店との取引内容を大幅に縮小、もしくは終了することが想定されます。D2Cの展開を進めれば進めるほど、既存取引先からの価格・販売条件に対する不満が高まる可能性もあるでしょう。その過程で取引先との関係性が悪くなってしまった場合、再び利用したいと思っても取引できないということになりかねません。D2Cを導入する際は、しっかりと中長期の計画をたて、現在取引のある業者に理解していただくための適切な対応が求められます。
D2Cを成功させるにはWEB集客が大切
上記の項目で、ブランドの認知度を上げるために集客が大切だということ説明しました。集客するうえで重要なのは、自社のWEBサイトやSNSの運営です。WEBサイトは、ただ作ればいいわけではありません。しっかりとSEO対策を施し、集客・収益率が高いサイト作りが求められます。SEOとは、検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)の略。検索エンジンで、ブランド名・商品名などのキーワードを検索したときに、きちんと検索結果の上位に表示されるよう対策することを言います。SEOに強いサイトを作るためには、競合他社の分析・自社独自の強みをアピール・信頼関係を築くための情報発信など、様々な戦略が必要です。それらを社内で取り組むのが難しい場合は、WEBのコンサルティングを外部の業者へ依頼する方法もあります。依頼にはもちろん費用が発生しますが、WEB集客のプロにサポートしてもらうことで、独学で取り組むよりも効率が良いなどの短期的なメリット・自社のSEOノウハウを高めることができるなどの長期的なメリットも期待できるでしょう。
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