2023年9月21日にOpenAI社が発表した「DALL-E 3」をご存じでしょうか？
DALL-E 3とは、テキストを入力するだけで、自動生成とは思えないほどの美しい画像を作り出す画像生成AIツールです。

これまでも「Stable Diffusion」や「Midjourney」などの画像生成AIは存在しています。しかし、DALL-E 3の登場により、画像生成AIが今後のブログやアート、デザイン、教育などのあらゆる分野に影響を与える可能性が広がりました。

DALL-E 3はどのような特徴を持つのか、どのように活用すれば良いのかなど、気になる点は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、画像生成AIのDALL-E 3について詳しく解説していきます。

DALL-E3とは

DALL-E 3とは、人工知能（AI）による画像生成ツールで、人間が書いた説明や言葉（テキスト）に合った画像を作り出します。例えば、「緑色の猫が月に座っている」という言葉をDALL-E 3に入力すると、その説明に基づいて実際にそのようなシーンの画像を生成します。

さまざまな画像生成AIツールがある中で、DALL-E 3の最大の特徴は、WEB上にある膨大な数の画像の特徴やパターンの理解度が非常に高い点です。

ユーザーが入力した言葉の意味を理解し、それに応じた画像を生成する能力に長けています。ChatGPTをベースとすることで、簡単な言葉を入力するだけで修正が容易にできる点も大きな特徴です。

また、DALL-E 3では「Transformer」という深層学習モデルを採用しており、その後の修正過程においても生成する画像の精度が上がっていく仕様です。つまり、使えば使うほどイメージに近い画像が生成されやすくなるという特徴があります。

その他にも、以下のような特徴があります。

コンテンツの安全性

DALL-E 3では、暴力的、成人向け、または憎悪的なコンテンツの生成が制限されています。また、芸能人や著名人などの有名人を含んだリクエストは拒否されるため、フェイクニュースやプロパガンダなどへの悪用に対するリスク対策がされています。

存命アーティストやクリエイターの保護

DALL-E 3で画像を生成する場合、アーティストやクリエイターのスタイルをリクエストすることは拒否されます。「○○というアーティストの作品のようなテイストで」というリクエストをすると、以下のようなメッセージが返ってきます。

“I’m unable to generate images in the style of ○○ due to our content policy. This policy ensures respect for the rights and works of artists, especially contemporary ones like ○○.”
（コンテンツポリシーにより、○○風の画像を生成することはできません。このポリシーは○○のような現代アーティストの権利と作品の尊重を保証するものです。）

この機能により、模造品が出回るといった悪用対策が施され、アーティストたちの作品と活動を保護しています。

DALL-E3の利用方法

DALL-E3はChatGPTとBINGで使用することができます。
それぞれのAIチャットサービスにおけるDALL-E3の利用方法について解説します。

ChatGPT

ChatGPTでDALL-E3を利用するためには、「ChatGPT Plus」か「ChatGPT Enterprise」に登録する必要があります。
ChatGPT Enterpriseは法人版のため、個人で利用する場合はChatGPT Plusに加入しましょう。なお、ChatGPT Plusの利用料金は月額20ドルです。

Bing

BINGは、ChatGPTと違いDALL-E3を無料で利用することができます。商業利用はできないため注意が必要ですが、個人の利用かつChatGPTの「GPT-4」が不要な場合にはこちらがおすすめです。

DALL-E3をBINGで使用する方法は非常に簡単で、検索バーにプロンプト（指示）を入力し、「作成」をクリックするだけで、指示した画像が生成されます。無料ですので、気軽に試すことができる点もBINGの魅力です。

ChatGPTでのDALL-E3を使った画像生成

DALL-E3で生成した画像を商用利用したい場合は、ChatGPTを使用する必要があります。ここからは、ChatGPTでDALL-E3を使った画像生成方法を、詳しく解説していきます。

使い方

DALL-E3をChatGPTで使用する方法は非常に簡単で、手順は以下の通りです。

1. 「ChatGPT」にログインする
2. 「GPT-4」を選ぶ
3. チャット欄にプロンプト（指示）を入力する
4. エンターキーで実行する

文章を生成する過程と全く同じ手順で、イメージしている画像を生成できます。修正も簡単で、例えば画風にリアリティが欲しい場合は「写真のように」と指示すれば、リアリティのある画像に修正されます。

さらに精度を上げるためには、英語でプロンプトを書くことをおすすめします。WEB上の情報は日本語より英語の方が圧倒的に多いため、理解度も大きく異なるためです。

英語が苦手な方は、文章生成AIツールや翻訳ツール、WEB上に公開されているプロンプトを活用すると比較的簡単に英語のプロンプトを取得できます。

さらにおすすめなのは、日本語のプロンプトで生成された画像から確認できる英語のプロンプトを参考にする方法です。英語のプロンプトは自動で生成されるため、この方法であればChatGPTだけで作業を完結させることが可能です。

日本語のプロンプトをこの後に紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

プロンプト例

• 横長で作成してください
• アスペクト比を16:9にしてください（1:1、9:16も可）
• 2枚の画像を生成してください
• ポップなテイストにしてください（他、モダン、リアル、水彩画、浮世絵など）
• 日本のアニメ風にしてください
• 「2023」という文字を入れてください
  （※現在は英数字のみが対応しています）
• 熊をモチーフにしたSNS用アイコンを作成してください
• 黒髪で長髪の日本人女性の画像を作成してください
• （上記に続いて）この女性を使った家事代行会社の広告を作ってください

今回紹介したプロンプトは丁寧語にしていますが、「～にして」という言い回しや「猫」などの単語だけでも指示できます。

画像を作りこむうちに、頻出するプロンプトに気づくと思いますので、そのプロンプトをメモしておき、自分だけのオリジナルプロンプトを構築していくと良いでしょう。

商用利用と著作権

前述したとおり、ChatGPT で生成した画像は商用利用が可能です。一方で、BINGで生成した画像は、商用利用することはできません。商用利用可としているChatGPTですが、コンテンツポリシーでは、AIで生成された画像であることを積極的に開示することを推奨しています。

生成画像が完全に人によって描かれたものであると他人に誤解させるような行為は、予想外のトラブルに繋がりますので、AIによる生成画像であることは必要に応じて開示していきましょう。

また、同規約では以下の行為が禁止されています。

• 同意のない人物の画像や、適切な使用権を持たない画像のアップロード
• 有名人の画像の作成

これは他人の権利を尊重するためのルールですが、ツールを使用する人のマナーとも言えます。今後もすべての人が気持ちよく使えるツールであるためにも、コンテンツポリシーを遵守してDALL-E3を活用していきましょう。

DALL-E3の使い道や展望

DALL-E3はさまざまな分野での活用が期待されていますが、以下のようなシーンでは、非常に期待値が高いと考えられます。

• プレゼン資料や書籍の挿入画像の作成
• ロゴやアイキャッチ、アイコン、ファビコンの作成
• マンガやアニメ、ゲーム、Vtuberなどのキャラクターデザイン
• インテリアイメージの作成　など

DALL-E3は英数字の文字入れもできるため、今後は日本語の文字入れもできるようになれば、書籍や雑誌の表紙の作成が可能となるでしょう。

デザイナーなどのクリエイティブな職業に就いている人にとっては、脅威と感じるかもしれません。しかし、DALL-E3をうまく活用することで効率的に成果を出せるので、上手に共存する道を模索していくとよいでしょう。

また、2023年11月5日には、DALL-E3に「gen_id」という機能が追加されました。gen_idとは、生成した画像に付与されるIDです。gen_idが付与されたことにより、画像の再生成や管理がより簡便になりました。

このように、今後DALL-E3ではさまざまな機能が追加されると予想されており、AI画像生成の「Stable Diffusion」や「Midjourney」を超える日も遠くないのかもしれません。

DALL-E3の活用相談はWEBコンサルティングMPHへ

DALL-E3は、今後多くの分野で活躍すると期待されている画像生成AIツールです。
便利なAIツールである一方で、実際に作った画像をどのように活用すれば、集客やマーケティングに効果的であるかという悩みも出てくるかと思います。

MPHであれば、マーケティングのプロとしての視点から、DALL-E3の活用方法についてアドバイスやサポートをします。さらに、SEO対策やWEB広告運用などのサポートも行っていますので、お客様の目標達成のためにも、ぜひMPHへご相談ください。

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