【美容クリニック】開業までの全10ステップ!必要資金・スケジュールも解説
目次
昨今の美容医療は医療脱毛のほか、注射や点滴による施術、レーザー治療やケミカルピーリングのような非外科治療の発展が目覚ましい特徴があります。それに伴い、美容医療市場規模も2022年にはコロナ以前の水準まで回復し、今でも需要は高まり続けています。
また、美容クリニックの利用者は女性だけではなく、最近は美意識の高い男性も増えていることから、ターゲット層の拡大も見込めます。そのように注目されている美容医療市場ですが、いざ参戦するとしたら、実際にどのような開業プロセスが必要なのでしょうか。
今回は、そんな美容クリニックを開業するまでの詳しい手順を、10個のステップとしてわかりやすく解説します。
美容クリニックの開業ステップ
美容クリニックを開業するには、大きく分けて以下の10個のステップが必要です。
- コンセプト選定
- 物件選び・資金調達
- 内装業者の選定、クリニック名・ロゴ決め
- 医療機器・什器の選定
- 保健所・消防署へのコンタクト、電子カルテ導入準備
- HP制作・Web(SNS)集客の戦略策定
- 内装工事開始、スタッフ募集開始
- 保健所立ちあい検査、開業届提出
- 厚生労働省への申請
- スタッフ研修、クリニックオープン準備
開業までの流れを理解して見通しを持ちましょう。
開業ステップ①|コンセプト選定
最初に決めるべきことは、クリニックのコンセプトです。具体的には、以下の通りです。
- クリニックの理想像(規模や目標にする他クリニックなど)
- 診療内容
- 立地場所
- ターゲット層
開業に先立ち経営の軸となるコンセプトを定めなければ、提供する診療内容と集客層へのアプローチ方法が乖離し、結果的にリピーターが定着しにくくなる場合があります。土台であるコンセプトをしっかりと決め、今後の指針としておきましょう。
開業ステップ②|物件選び・資金調達
コンセプトを選定したら、開業に必要な資金を計算する必要があります。
事前にターゲット層や立地場所を選定しているため、平行してコンセプトに合う適切な物件も探しましょう。戸建ての場合は、土地探しから始めます。
必要な資金の計算をした後は、資金調達方法です。
実は融資の他に、助成金や補助金を利用できる場合があります。後で損をしないよう事前に詳しく調べておきましょう。
開業ステップ③|内装業者の選定、クリニック名・ロゴ決め
この時期に、内装業者と共にクリニック名やロゴのデザインも決めましょう。
業者にクリニック内の内装を発注する際に、ロゴとの相性やクリニックのコンセプトと合わせる必要があるからです。ロゴやコンセプトを基準に、クリニックの印象を大きく左右する内装業者を選定します。
開業ステップ④|医療機器・什器の選定
内装業者が決定したら、次は医療機器や什器の選定です。
ここでぜひ活用したいのは「IT導入補助金」です。什器導入をする際に、この補助金が利用できる場合があります。例えば、会計ソフトや受発注ソフト、POSレジなどのITツールを導入する際に利用できます。適用となると、ITツールの導入にかかる費用の最大1/2が補助されるでしょう。
開業ステップ⑤|保健所・消防署へのコンタクト、電子カルテ導入準備
クリニックの開業には、法で定められている建物基準をクリアする必要があります。そのため、必ず工事を始める前に保健所や管轄の消防署に連絡しましょう。
また、電子カルテの選定と導入までに要する時間は、短くて3ヶ月、長くても6~8ヶ月かかるとされています。なぜなら、試験運用をしたり、コンセプトに合わせたシステムを設定したり、自院に適したものを選定し、契約や基本の設定などの作業に時間がかかるためです。
具体的な流れは以下の通りです。
- 電子カルテ選定
- 私用の確認、システム設定
- 試験運用
- 運用開始
電子カルテにも、先ほども説明したIT導入補助金が利用できる場合があります。また、クラウドサービス利用費にも補助対象となっている「ものづくり補助金」も利用できる可能性もあるため、適用となるのか事前に確認しましょう。
開業ステップ⑥|HP制作・Web(SNS)集客の戦略策定
機材や内装の目途がついたら、次はHPやWebなどを活用した集客方法の戦略を策定しましょう。
HPの制作から公開までにかかる時間は、最低でも3ヶ月はかかるため、早めにとりかかることをおすすめします。
HPやWeb広告などを外部に依頼する場合は、クリニックのコンセプトやロゴのデザインの雰囲気にあうHPを作成してもらう必要があるため、美容クリニックのWeb実績のある専門の会社に相談することをおすすめします。「初期のコストはどれくらいかかるのか」「運用のランニングコストはどれくらいか」など、トータルで考えて依頼しましょう。
開業ステップ⑦|内装工事開始、スタッフ募集開始
内装工事の開始と並行して、スタッフの募集も始めましょう。
求人情報を出してもすぐに人材が集まるわけではないため、内装工事にかかる時間も考え、3ヶ月前までには開始します。
なかなか人材が集まらない場合は、募集媒体を増やすことや変更などの必要もあるため、その点も考えなくてはなりません。
開業ステップ⑧|保健所立ちあい検査、開業届提出
内装工事が完成すると、保健所の立ち合いのもと検査を行う必要があります。検査に問題がなければ、管轄の保健所に開設届を提出します。
医療法第8条により、開設届は開設後10日以内に届け出るよう定められています。
開設ではなく開業後の提出となると、受理されるまでの時間は診療行為ができない場合があるので注意しましょう。
開業ステップ⑨|厚生労働省への申請
必須の項目ではありませんが、診療項目に「形成外科」が含まれる場合、厚生労働省に「保険医療機関指定申請書」を届け出る必要があります。これは保健所で開設届が受理された後に申請できます。
なぜ申請が必要なのかというと、形成外科は自由診療ではなく保険適用になるためです。例えば、やけどやケガや皮膚のできもの、生まれつきの病気の治療などは保険適用となります。
この保険医療機関指定申請書とは、毎月1日までに提出となっています。(地域によって受付締切日が異なる場合があります)
開業ステップ⑩|スタッフ研修、クリニックオープン準備
手続きが完了したら、いよいよクリニックのオープンに向けて具体的な準備を始めます。
備品や医療機器の配置場所の設定や、スタッフ研修のためのマニュアルの準備の用意もする必要があります。マニュアルの作成は実際に運用を開始した際の利用者やスタッフの導線を意識しながら作り込んでいきます。はじめに作成したマニュアルを、スタッフの意見を聞きながらよりよいものに改善していきましょう。
以上が開業までの10ステップとなります。
必要な開業資金の目安
美容クリニックの開業を目指す際に最も気になるのが資金です。美容クリニックの場合、他の診療科と比較して開業資金が高めの傾向があります。クリニックの規模や導入する機器の状態によって異なりますが、5000〜1億円程度が相場といえるでしょう。具体的な費用の内訳やおおよその目安は下記のとおりです。
物件(テナントの場合) | 1,000万円〜 |
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内装工事や設備 | 3,000万円程度 |
医療機器 | 3,000万円〜 |
ホームページの作成や広告等 | 200万円〜 |
電子カルテなどシステムの導入 | 500万円〜 |
テナントとしてクリニックを開業するのであれば、土地代は発生しませんが更地からクリニックを建築する場合は別途、土地代や上物などでより金額が高くなるでしょう。
美容クリニック開業医の平均年収とは?
開業資金と合わせて気になるのが開業医の平均年収です。美容クリニックの開業医の平均年収はデータとして公開されいないため、具体的な年収の把握は難しいでしょう。しかし、美容クリニックの勤務医における年収は1500万円〜3000万円程度が相場といわれています。開業する場合、自身で集客や施術の差別化を図ることで勤務医以上の収入を目指せるでしょう。
開業医は自分で集客をコントロールできる点が強みです。診療の効率化やWebコンテンツを使った集客を工夫することで、勤務医時代よりも高められます。
美容クリニック開業までのスケジュールについて
美容クリニックを開業するにはスケジュールに見通しを持つことが欠かせません。コンセプトを決めるところから開業までは、おおよそ1年半程度を見込みましょう。しかし、土地や物件がうまく見つからなかったり、スタッフがなかなか集まらなかったりする場合はより期間を要するため、それぞれの段階でゆとりを持つことが大切です。
特に、コンセプトや資金調達においては「開業したい」と考えた時に、少しずつ行動に移すのがおすすめです。また、電子カルテを導入する際も最大で8ヶ月程度期間を要する傾向があります。電子カルテや申請、サイト制作など、外部に依頼するものは早めの着手を意識しましょう。
また、開業にあわせて必要なホームページの制作はコンセプトを決定する段階で早めに着手するのもおすすめです。自分でコンセプトを固めながらホームページ制作会社に話すことで、よりイメージが高まったりアウトプットする中で改善点が見つかったりするでしょう。
美容クリニックの内装について
美容クリニックにとって内装のデザインは非常に重要です。
特に初めて訪れた方は、施術の内容や美容外科への抵抗感を抱えている方も少なくありません。
そんな方々が安心し、心地よく過ごせるような雰囲気である内装を目指しましょう。
美容クリニックは普通の病院とは違い、ラグジュアリーな雰囲気や特徴を持つ傾向があります。しかし、あまりに高級感や重厚感があり過ぎると、かえって利用者を緊張させ、窮屈な印象を与えてしまう可能性があります。逆に、あまりにナチュラルにしてしまうと、他のクリニックとの差別化ができません。
また、内装はデザイン性だけでなく、機能性も重要です。例えば、美容クリニックに通っているのを知られたくない方や、施術後の姿を見られたくない方もいらっしゃいます。なるべく患者様同士が顔を合わせないよう、レイアウトに工夫をするとよいでしょう。さらに、スタッフの導線を意識した内装にすることで、ストレスなく業務に集中できるようになります。
これらすべての条件を満たす内装を一から考えることは、開設経験のない場合は特に難しい問題です。美容クリニックの内装工事に実績があり、実際の施工実績の写真などを見て、自院のコンセプトに近いものを提供している業者に頼むと良いでしょう。
例えば、店舗内装・施工の実績が累計10,000件を超える株式会社エイケー様では、HPに美容クリニックのさまざまな施工実績を掲載しているため、内装などをイメージしやすいです。
特徴としては、シンプルでナチュラルな居心地のよいデザインの中に、美容クリニック特有のラグジュアリー空間を提供しています。
また、患者様の居心地の良さだけではありません。ドクター自身のモチベーションUPや、スタッフが「ここでずっと働きたい」と思うような快適な空間づくりを目指しているため、今後の人手不足の対策にも有用です。
株式会社エイケー様では、デザインから施工まで一括で管理できるため、開設までのプロセスがとてもスムーズに進みます。内装・施工をご検討のクリニック様は、まずはMPHまでご相談ください。
美容クリニックの集客なら実績豊富な「MPH」へ
開業のステップで解説した集客方法に、HPやWeb広告などをご紹介しましたが、Webは他院と比較されやすいため、閲覧者に「このクリニックは自分の悩みを解決してくれる」という、決め手となる具体的なビジョンを描けるような仕掛けが必要です。
ただ、やみくもに自院の良さを紹介するだけでは、集客につなげることは難しいでしょう。
実際にHPや広告費を払ってWeb広告を作成しても、集客がコストに見合っていないことが多いのが現状です。
Web広告やHP、コラム、誘導記事を作成するためには、その仕掛けをどのように活用するかがポイントとなります。
MPHでは、そのようなWeb集客に必要な仕掛けである下記を一気通貫で担います。
- 市場調査
- ブランディング戦略
- 効果測定
- ターゲット選定
- キーワード選定とSEO手法
- 競合調査
Webの集客にかかわるものをすべてサポートできるため、開業準備で忙しいドクターの無駄な労力を削減できます。
1年間で来院数が昨年と比べ250%UPした実績もありますので、集客方法でお悩みの場合は、ぜひ一度MPHにご相談ください。ご相談は無料ですので、お気軽にお問合せください。
まとめ
今回は、開業をするために必要なステップを具体的に説明しました。
トータルで1年半もあれば開業できる、と考える方もいらっしゃるかと思います。
しかし、実際は仕事をしながら開業の準備を進めることが多いため、このステップのようにすべてがスムーズに進むとは限りません。
1人で作業するのではなく、難しい点は思い切ってプロに頼ることも重要です。働きながらでも、確実に、そして安心して開業の準備を進めることができます。内装・施工に関しても、株式会社エスケー様について具体的なご説明も可能ですので、Webのお悩みと共にMPHにぜひ一度ご相談ください。一緒に開業を成功させましょう。