マーケティングとは?戦略はどのように立案する?わかりやすく解説
目次
マーケティングとは?
昨今、ビジネスにおいてマーケティング活動は欠かせないものです。「マーケティング」というと「集客方法」や「広告宣伝」など関連するワードが何個か思いつくかと思いますが、一言でまとめると「ものやサービスがよく売れる仕組みにすること」です。現在ではどの企業でも専門スタッフや部署を配置し、色々な手法でマーケティング戦略を行っています。また、これから新規事業を立ち上げるような人や、市場拡大を狙っている企業には、最重視して取り組むべき課題でしょう。
自社の製品やサービスをお客さま自ら買いたいと思うような仕組みを作るために、企業はどのようなマーケティング活動をしているのでしょうか。ここでは、マーケティングについて詳しく解説していきます。
マーケティングにはどんな種類のものがある?
「マーケティング」=「ものやサービスがよく売れる仕組みにすること」であるのは上述の通りですが、ではその「仕組み」はどのようにして作るのでしょうか。それには、自社の商品やサービスを「誰に向けて」「どんな価値があるのか」「どのように提供するか」などを基本に消費者へ向けたアプローチを組み立てる必要があります。要素ごとにまとめると主に以下の5つが挙げられます。
- 市場調査(マーケティングリサーチ)
- 製品やサービスの価値を消費者に向けて拡散
- 競合他社などの分析と対策
- 新規顧客の獲得方法を検討・実行
- 既存顧客へのロイヤリティ(ポイント制度など)を検討・実行
これらを、各企業が顧客ターゲット層や自社の製品・サービスの特性にあわせた手法で実行していきます。マーケティング手法には主に2種類あり、テレビCMや新聞など媒体のある「オフラインマーケティング」と、インターネット上での「オンラインマーケティング」に分けられます。
まず「オンラインマーケティング」には以下の種類があります。
Webマーケティング
Webサイト上で商品やサービスの情報を発信、オンラインショップを出店、検索エンジンやネット広告を発信、などの活動で集客や販売を促進するのが目的です。オフラインマーケティングよりも低コストで拡散力がある点が特徴です。また、サイト訪問客やHP閲覧者情報が取得可能であるため、分析結果から消費者の動向を把握し次のマーケティング戦略に役立てられる点でもメリットがあります。
SNSマーケティング
SNSマーケティングでは、SNSを通じて商品やサービスの情報発信ができるだけでなく、インフルエンサーを活用し情報拡散や認知拡大を狙う手法も効果的です。またコメント欄での情報共有や商材に関する質問や感想のやりとりなど、見込み客とのコミュニケーションが取れるメリットもあります。ターゲット層を絞った情報発信に有効であるとされています。
O2Oマーケティング
O2Oとは「Online to Offline」の略称で、Webサイトやアプリなどインターネット上の情報でユーザーに関心を持ってもらい、オフラインである実店舗に足を運んでもらう施策です。例えば、インターネット上でのクーポン配布やGPS機能を使ったプッシュ通知、ネット予約への誘導などがあります。合わせてよく目にする言葉に、複数の販売チャネルを結び付ける「オムニチャネル」という言葉がありご存じの方もいるかと思いますが、O2Oマーケティングはこれに近い側面があります。
動画マーケティング
動画マーケティングは、テレビCMのような商品・サービス紹介をYouTubeやTikTokなどの動画投稿サイトを通じて発信することです。理解のしやすさという観点から、文字や画像のみの情報よりも、短い時間で、伝えたい内容を端的に伝えることができます。SNS利用者の増加や若世代のテレビ離れの社会情勢も後押しして、動画マーケティング市場は急拡大しています。
マーケティング戦略とは?
マーケティング戦略とは、①消費者心理や市場動向・社会のニーズの分析、②自社の商品やサービスをどのように展開していくべきかの検討、を企業が考えて実行する戦略のことです。
商品やサービスがよく売れるための仕組みをつくるには、自社の強み・競合優位性・差別化をきちんと認識するための情報分析や調査が必要です。マーケティング戦略は経済活動の中で必要不可欠な戦略であり、専門部署の他に外部コンサルタントを配置している企業もあるほどです。
以下に、実際のマーケティング戦略の立案手順と手法を紹介・解説していきます。
環境分析
マーケティング戦略の立案で最初の手順は、企業の内部と外部の環境分析をすることです。企業内環境とは、自社の得意とする技術や販路、また逆に弱みや課題など、自社特有の環境です。次に外部の環境とは、例えば国の政策や経済動向、法律、景気、社会情勢など市場を取り巻くさまざまな環境のことです。
ターゲット層の決定
次にやることはターゲット層を決定することです。「ターゲティング」とも言われ、商品やサービスを売る対象を年齢層や性別、属性(社会人か学生かなど)や流行で分類します。
ポジショニング
ターゲティングができたら次は「ポジショニング」を探ることです。ポジショニングとは、ターゲットである顧客に対して自社の製品やサービスの位置付けをすることです。自社製品の優れた点や魅力をターゲット層に示すことで競合企業との比較で優位になる狙いがあり、他社との差別化を図ることで顧客の意識の中に特別な位置づけができます。
顧客利益の追求
顧客が自社の製品やサービスを買うことで得られる利益を探ります。『顧客が欲しいのはドリルではなく、穴を空けること』という言葉があります。商品を買うことではなく、その商品でニーズが満たされるという事に着目しなければなりません。
ここまでの分析結果を要素にして、マーケティング戦略を立てます。この際に、「フレームワーク」を使って課題を整理することも大切です。「フレームワーク」は、考えられる要因や集めるべきデータ、検討すべき視点を漏れなく洗い出し、全体を効率的に把握するのに役立ちます。
以下に、マーケティング戦略を立てる際に活用できる主なフレームワークを紹介します。
・3C
「Customer」=市場・顧客、「Company」=自社、「Competitor」=競争相手、 の3者の視点から現状を分析します。客観的な視線から自社の価値をとらえられます。
・4C
「Customer Value」=顧客価値、「Cost」=顧客の費用・負担、「Convenience」=顧客の利便性、「Communication」=顧客対話、という4つの消費者目線を分析する手法です。顧客の視点で考えることでニーズをより深く分析でき、よい立案につながります。
・4P
「Product」=製品、「Price」=価格、「Place」=流通(どこで売るか)、「Promotion」=販売促進、の4つの企業側目線を分析する手法です。消費者目線だけではなく、企業側の視点でも考えていくことがマーケティング戦略では不可欠です。
・SWOT分析
「Strength」=強み、「Weakness」=弱み、「Opportunity」=機械、「Threat」=脅威、の頭文字をとったものです。自社の努力でコントロール可能な内部環境の要因である自社の強み・弱みの部分、そして社会情勢や経済動向など外的な環境要因である機会・脅威に分けて分析していく手法です。強みと機会はプラス要因、弱みと脅威はマイナス要因として分類します。
・STP分析
「Segmentation」=市場細分化(利用者の分類)、「Targeting」=市場の決定(ターゲット決定)、「Positioning」=立ち位置の明確化、を分析する手法で、マーケティングでの基本的な考え方とされています。ターゲット層をしぼり、自社の特徴を生かしながら顧客の利益を考察していく戦略とされています。
これらのフレームワークの活用で、視点の漏れや見落としを防ぎながら効率よく戦略立案を進めていくことが可能です。
マーケティング戦略を成功に導く為のポイント
マーケティング戦略で成功をつかむには、その手法ごとにポイントがあります。以下で説明するポイントを押さえた上で、自社に適したマーケティング戦略を立てましょう。
Webマーケティングの場合
Webマーケティングでは、「ホームページへのアクセス数や検索エンジン流入件数、広告種類別のホームページ訪問客数などといった、その商品が選ばれるまでの背景を把握できる」という他のマーケティングにはない特徴があります。オフライン販売の場合、どのような顧客がどんな背景や手段を経て購入したのかを一例一例データ収集して調べるのは不可能です。また、顧客が他社のどんな商品と比較して自社の製品を選んでくれたのかまではわかりません。ですがオンラインショップでしたら、商品の購入者が商品サイトのどこのページをチェックしたかや他にどんな商品ページを閲覧しに行ったか、またいわゆるカゴ落ち(購入を検討しいったんは買い物カートに商品を入れたが、システムエラーや気が変わり決済まで成立しない結果に終わること)は全体の何パーセントくらいあるのかなど、アクセス解析を通して情報を詳しく把握することができます。
このようにWebマーケティングではオフラインマーケティングより多くのデータを得ることができる一方で、集めるばかりで活用できなければ意味がありません。参考になるデータが多い分、情報を適切に分析し正しいマーケティング戦略へとつなげるために、上記で説明したフレームワークをより深く理解しデータを使いこなすスキルが必要です。
SNSマーケティングの場合
SNSマーケティングで最も意識して取り組むべきキーワードは「共感」です。他のマーケティング手法の最たる目的は主に「自社の商品やサービスの魅力を伝え購入につなげる」ことです。そのため消費者への伝達内容はプロモーションのような表現になっています。一方で、SNSを使ったマーケティングではターゲット層に「購入してもらう」という目的は同じですが、あくまでメインのコンセプトは「情報共有」や「共感」です。インフルエンサーを起用し商材の認知拡大を狙うのは、フォロワー層(=ファン層)がそのインフルエンサーのライフスタイルやファッションコーディネートなどに憧れ、参考にしてマネしたいと望む気持ちが購買につながるからです。そのため、「商品プッシュ」な情報発信ではなく、「愛用品である」「ユーザーにとって有益な情報である」を前面に出した発信の仕方が必要とされます。また、自社のファンになってくれたSNSユーザーは、自分のSNSでも積極的に情報を拡散してくれたり、イベントやキャンペーンの告知、クーポンの紹介などを共有してくれたりする可能性もあるため、マーケティングへの貢献が期待できます。
O2Oマーケティングの場合
オンライン上で集客したあと実店舗への誘導を図るO2Oマーケティングでは、顧客にオンライン上で商品やサービスを確認した後「実際に商品を手に取ってみたい」「実際に来店して買いたい」と思ってもらうことが必要です。そのためには、オンライン上で完結するより魅力を感じるようなコンテンツにする必要があります。例えば、来店限定特典や実店舗でのみ使用可能なクーポンをQRコードで配布するなどです。また、実店舗の各店在庫をチェックできる機能など、来店への興味を後押しするような情報も効果的です。O2Oマーケティングを効率よく運営するにあたり、主な3つの手法を以下にご紹介します。
・SNSを使って発信
スマートフォンの普及や昨今のコロナ禍による社会情勢の中でオンライン通販の使用頻度が増えたり自宅生活が長時間化したりと、人々がオンライン上に滞在する時間が増えました。それに伴い、LINEなどでのクーポン配布を始め、FacebookやTwitter、Instagramなどでの商品紹介やHP誘導も多く目にするようになっています。SNSではユーザーと直接つながれるという強みがあります。Instagramなどでは発信した投稿やメッセージに対するユーザーからの反響やオンライン上で渡したクーポンの取得状況・利用状況などの顧客の行動についてインサイト数値を取得し解析する機能もありますので、これらのデータ収集を分析することで、今後の施策に向けて有効な判断の材料になります。またSNSでフォロワーになってもらえれば、継続的に情報発信をし続けることでブランドの認知度も上がりユーザー内での情報拡散や商品情報の共有などが期待できます。最近では、インフルエンサーとフォロワーとの距離も近くなり、イベント会場で直接対面できたり、インフルエンサーが来店した投稿写真を見て「自分も行ってみたい!」と思い来店したりするなど、来店誘致のきっかけとなっています。
・メルマガ配信
メールマガジンは比較的古くからあるマーケティング手法の1つですが、現在でもタイムリーな情報を必要な人にお届けできる手段として広く使われています。導入するのが比較的容易で、気軽に始められるのもメリットでしょう。定期的に、かつ内容量のあるメールを毎回作成するのは時間や手間がかかりますが、広告コストと捉えて部分的に外部委託するのも1つの手です。メルマガの文章作成を代行してくれるフリーのライターや、文章含めメルマガ配信業務のほとんどを代行してくれる専門業者も今ではたくさん存在します。メルマガ登録者は、自社の商品やサービスに興味を持ってくれている方なので、拡散型広告に比べてより集中的にターゲット層に情報発信できます。これを利用し、登録者限定の情報やオンラインクーポンの配布などで実店舗への来店誘導を行うことができます。
・自社アプリを作成して発信
自社アプリを作成し、アプリ内での情報発信やクーポン配布、またポイントカードのような機能を提供することも有効です。「アプリをダウンロードしてくれる顧客=リピーター顧客」と捉えることができるので、SNSのメッセンジャー機能と連携してタイムリーな情報をお知らせしたり、先着限定商品の残り数を表示したりと実店舗への来店のきっかけ作りになります。来店ポイントの付与などアプリ利用者限定の特典やサービスで自社アプリの利便性をアピールし、より自社のファンになってもらうことを狙いましょう。
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この記事を書いた人
MPH WEBコンサルティング事業部
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